安価なギターでも

こんばんは!バンブーの三方(ミカタ)です!

今日は飛び込みでダンエレクトロのガリ取りと調整です('ω')ノ
このチープ感がめちゃ可愛いすっ!!
欲しいっ!

今日のお客さんではないんですが先日
「安いギターだから良くするのは無理かな?」と
調整や改造について相談があったので
安価なギターの話ばしようかと(^^)
本来なら論文書けるほどの量なので、
めちゃくちゃ省いて説明しますがかなり長文です(*_*;
朝から合間を縫って書いてたら遅くなりました('_')

では、安価なギターについて・・・

「安いギターは音が良くない」という考えは根強くて
「元が悪いから手を加えてもムダ」と思う方も多数いますが
昔と違い現在は楽器店が扱っている安価なギターだと
音を「かなり」良くすることが可能です( `ー´)ノ

ちなみに現在の工場生産の精度の高さと
・ギターの値段がなぜ決まるか?
・ギターの持ち味
をちゃんと理解していれば解決策が見えてきます。

★ギターの値段がなぜ決まるか?
ギターの値段は主に以下で決まります。
・木材
・塗料
・パーツ
・人件費
・ネームバリュー
・送料、関税など
また、大量生産の方が単価が下がるため
生産量が多いギターはおのずと値段が安くなります。

「木材」
音の良し悪しではなく品質や希少性や部位や含水率などが違い
エレキギターの場合は木材だけで音の良し悪しは判断できません。
いまでは楽器店が扱っている安価なギターで製品として成立しない
悪い品質の材を使用されているものは稀です。
また材自体が安価だとしても
ヴァンヘイレンが好んだバスウッドやJamesTylerのマムヨ
(ジェルトン)など良い音を出している実例が沢山あります。
ボディが1ピースではなく端材のツギハギでも「音が悪い」とは
断言できません。
また、加工に関しては大量生産されているギターは
NCルーターを使用するため非常に精度が高いものがあります。
ハンドメイドは加工精度が劣りますが、その精度の緩さこそが
豊かな倍音を生むことにも繋がってます。
ハンドメイドの加工精度を上げていくと
NCルーターに近づくということになります。

「塗料」
ラッカーは安価な塗料ですが工数が掛かるため人件費が掛かります。
ポリ系は一度に厚く塗れるため工数が少なく人件費を削減できます。
特にポリエステルは大規模な設備も必要なため
個人工房での導入が難しく導入できない工房が
「ラッカーしか使いません」と宣伝したのが
国内でのラッカー至上主義の始まりと言われてます。
先ほどのJamesTylerやShurなどポリ系を採用している
高級ギターメーカーは多数存在します。

「パーツ」
昔より精度は上がってきてますが
いまでも品質に大きな違いがあることが多いです。
安価なギターは配線材も音が細くなるものが多く
電装系を変えるだけでも出音が劇的に良くなります。

「人件費」「ネームバリュー」「送料、関税など」は
説明するまでもないので省きます。

★ギターの持ち味
ギターをプレイヤーに合わせて調整するという
「ハイヒールだと走り難いからヒールを取る」という考えではなく
プレイヤーがギターに合わせるという考え方が出来ない限り
ギターの持ち味を十分に理解することは難しいです。
弦高ベタベタにしていると特徴は引き出せません。
そのギターに合った弦Rや弦高も含めてしっかりと調整をすることで
問題点が浮き彫りになり「何に手を加えるべきか」がハッキリします。
また、そのギターの特徴が求めてる音と乖離しているからといって
特徴と違う方向に手を加えてしまうと大抵の場合が
不満が残る結果になります。
例えば、今日調整したダンエレクトロのギターに
レスポールサウンドを求めるのも酷な話ですよね。
そのギターの特徴(得意な音)を理解することが大事です。

【解決策】
ギターで重要なのは倍音の出方です。
倍音に影響を与えるパーツはセンターライン上にあります。
ペグ・ナット・フレット・サドル・ブリッジです。
これらで倍音を調整出来るんですが注意点があって
「サスティーンが長いと音の伝達が良い」という知識が
パーツ選びを間違った方向に誘導することがあります。
これが原因で重いパーツを選択していることが多いです。
重いパーツはサスティーンは長いけど振動を抑制するため
「生音が大きい=良いギター」という考えの方には
実際は全くの逆効果ということです。

倍音を調整できる箇所はパーツ以外にも沢山あります。
ただし、知識と技術が必要なので参考までにしてください。
ハンドメイドはNCルーターと比べて加工精度が劣るけど
その精度の緩さが豊かな倍音を生むという話をしましたが
ネックポケットに隙間を作るために薄いシムを挟むとか
ナット下に隙間を作るとか故意的に緩さを再現する方法もあります。
昔は精度が悪くて良くするように加工していたんですが
逆のこともあるんです。
また、配線材に安価なものを混ぜる方法もよくある手法です。
どの程度、緩さを追加するかを考えることも大事です。

以上が安価ギターでも良くすることが出来る理由ですが
かなり内容を省いてるので誤解や伝わらない箇所もあるかも(*_*;
安価なギターには成長余地が沢山あるんですね(^^)
自分で手を加えて成長させていく楽しみも
安価なギターの楽しみ方でもあります('ω')ノ
逆に高価なギターは最初から完成度が高く
手を入れる必要がある箇所が少ないとも言えます。
どちらの場合も自分が求めてる音を明確にして
選ぶことが重要ですね(^^)
ではでは。。。。。

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